クレプトマニアの治療には自助グループが必要不可欠なワケ


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クレプトマニアには伴走者が必要不可欠です。

伴走者とは同じ苦しみを味わった人達のことを言います。

刑罰のみでは患者は社会から益々孤立してしまいます。

孤立は孤独を深め、更なる犯罪の再発を助長します。

自分ではない他者がやっている犯罪なのでしょうか。

本当に他人ごとで済まされることなのでしょうか。

意志やモラルの問題だけで片付けて良いのでしょうか。

今、自助グループでのミーティングにより、多くのクレプトマニアの方が救われています。

自助グループの存在やクレプトマニアへの理解を深め、また、もっと活発にしていけるために本記事ではクレプトマニアの治療と自助グループについてご紹介致します。
※クレプトマニアの原因と摂食障害についてはコチラに詳しく書いていますのでご参考下さい。

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目次

クレプトマニアの治療の種類

そもそも、なぜ窃盗が治療の対象なのでしょうか。
こちらに関しては後の章で紹介します。

クレプトマニアが治療の対象である以上、治療の方法があります。

治療には大きく2つあります。

1.ミーティング
2.薬物療法

なかでも治療に多く取り入れられているのが“ミーティング”です。

このミーティングは医療機関や福祉関連施設、また、多くの自助グループの中で取り入れられています。

患者さん自身が治療に対して主体的取り組んでいく自助努力を治療の中心に置くことがクレプトマニアには有効だとされています。

医療者の役割もそのための環境を提供することが原則となります。

自助グループとは何か

では、この自助グループとは何なのでしょうか?

クレプトマニアの自助グループとは、窃盗歴のある当事者同士が状況を打ち明け、支え合い回復を支援するグループのことを言います。

クレプトマニアと言いましても要は窃盗です。人からなかなか理解されるはずもありません。

必ず被害者が存在している確実な犯罪です。犯罪を行った者同士が集まって自助グループが作られている。

こんなことは、本来はなかなか難しいのではないかと思いませんか?

ここに至るまでには多くの苦労もあった様です。

では、自助グループはどの様にして発祥したのでしょうか。

日本における自助グループの発祥

2000年6月に赤城高原ホスピタルで週に1回、1時間半の“万引・盗癖ミーティング(MTM)”が日本における発祥とされています。

希望制での参加から始まり、ミーティングへの参加を入院の条件などとしましたが、条件を付けての参加ということは半強制的な面もあり、同院においても例外的な扱いであった様です。

ミーティングの形式

基本的なミーティングの形式は“言いっぱなし、聞きっぱなし、コメントなし”といったものが主流です。

参加には消極的な者から積極的な者までいる様です。その上で共通した結果に、ミーティングへの参加が定着したメンバーの大部分では万引きが止まったことが挙げられます。

自助グループの種類

自助グループには次のものがあります。

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  • 病院内に設けられたもの
  • 県や市などの支援センター
  • 当事者同士でつくられたもの
  • [/deco_bg]

    医療・福祉・地域と、民間や国・県・市など様々なものがあります。

    これらいずれもの共通点はクレプトマニアの方々の支援のために、自助努力の場である“ミーティングの場”を大切にしていることです。

    ただし、実際はクレプトマニアに対応できる医療機関が日本全国を見渡してもごく僅かしかないという現状もあります。この事実が自助グループに拡大をもたらしたことが要因に挙げれることは皮肉ではありません。

    草分け的存在の赤城高原ホスピタル

    群馬県にある赤城高原ホスピタル院長の竹村氏がアドバイザーとなり、クレプトマニアの方の自助グループの第一回ミーティングが2004年12月に東京の世田谷で開催されました。

    竹村氏は設立の当初から自身のことを“単なるアドバイザー”と呼びました。“自助”であることの重要性と、そこに掛ける思いはこの時に既に完成していたのですね。

    あくまでもアドバイザーとして、当事者同士でミーティングをするための手助けをする。それこそが、クレプトマニアの方の一番の支援であるのだとの竹村氏の思いが伝わってくるようです。

    その思いもあって、現在では“自助”グループとして全国に広がっています。

    自助グループの名称はKleptomania Anonymous(クレプトマニア・アノニマス)となりました。

    今では“KA(ケーエー)”と呼ばれています。

    当時は年齢制限もありましたが、現在は制限はありません。

    また、(摂食障害+万引)が主症状の方に限定されていた参加資格は、年齢や男女を問わず、“万引・盗癖からの回復を願う全ての人へ”と門戸が拡大されました。

    日本における窃盗への目は非常に厳しいものがあります。何でもそうですが、先駆者の思いを決して無駄にしたくはないですね。

    [deco_bg image=”paper1″ width=”400″]■自助グループに求められるもの

  • 自助努力
  • 自発主体性
  • 当事者の意思
  • [/deco_bg]

    [deco_bg image=”paper1″ width=”400″]■サポートに求められるもの

  • 専門知識
  • サポートに徹する
  • 環境を作る協力
  • [/deco_bg]

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    クレプトマニアは治療の対象なのか

    “窃盗にも治療が必要だ”

    そういうと、何でも病気で片付ければ良いってもんではないよ。
    そんな意見も聞こえてきそうです。

    そもそもクレプトマニアは本当に治療の対象なのでしょうか?

    刑罰は免れない

    まず、治療の対象というと、なんだか犯罪に対しても情状酌量の余地があると誤解してしまいそうですがそういうわけではありません。

    クレプトマニアは犯罪ですので刑に服します。

    犯罪を犯してしまう病気ともいえるでしょう。

    確実に犯罪ですので被害者も存在しますし服役もします。

    ただし、実刑だけでは解決に至りません。

    治療の必要な方に対して服役だけさせても出所すればその日にまた窃盗をしてしまうこともあります。

    犯罪を繰り返し続けることになる訳です。

    しかし、治療をすればこれを防ぐことができる訳です。

    治療により犯罪を防ぐ

  • 治療により犯罪を防ぐ
  • 治療により更生させて社会に出す
  • 特にこの窃盗犯罪には被害者が必ず存在します。

    刑に服する事は当然のこととしても、現在は法務省でも治療の対象としての対応に遅れをとっているのが現状です。

    日本の法務省の見解は?

    2017年現在での法務省の見解は次の通りです。

    1.窃盗の原因や問題は多様で個別に指導プログラムを行っている
    2.クレプトマニアの人がいるか認識していない 
     ⇒服役者の中にどれくらいいるかわかっていません


    よって、クレプトマニアに特化したプログラムは行っていないのが現状です。

    “治療の対象”がもたらすもの

    要するに刑罰としての対応はしても、治療としての対応は行っていません。

    治療が必要な受刑者兼患者に対しての適切なミーティング治療なども行えないため窃盗をやめられないまま刑務所を出ることとなってしまいます。

    結果として刑務所を出て入っての繰り返しとなってしまうのですね。

    服役中には真面目に過ごしても、出所後数日で逮捕されるなんてことも多いのです。

    出所後は更生保護施設に入ることもありますし、通院や入院をすることもありケースは様々です。

    再犯を重ねて初めて精神科病院を訪ねることもあります。

    精神鑑定により「病的窃盗(F63.2)トレプトマニア」であることをそこで初めて知るのです。

    同時にそれまで犯罪者でしかなかった彼や彼女は初めて患者(クレプトマニア)としての自分を知ることとなります。

    心境としては病気と聞いて“ほっ”とされる方も多いのですね。クレプトマニアの方も万引きや窃盗は犯罪だと知っており罪の意識と常に隣り合わせです。

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     やめたくてもやめることができない。
     どうすることもできない。

     犯罪を起こし系に処され、刑務所に入る。

     しかし、更生することはできない。

     出所後も罪に罪を重ね、自分自身が傷ついていく。

     周囲からは益々見放される。
     親や友人とも呆れられ疎遠になっていく。

     どんどんどんどん孤立していく。
     社会から孤立し、コミュニティーからも孤立する。

     近しい人とも距離ができ離れていく。

     ストレスが溜まる。[/deco_bg]

    こうして、孤立した患者は失うものや守るものが益々なくなっていきます。

    孤立は窃盗をやめる理由も完全に奪い、罪悪感も益々麻痺してしまいます。

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       病気であれば治療もできる。

       治すことができる。[/deco_bg]

    一縷の光明が差した様な思いがこの時に生まれます。

    そして、治療としてクレプトマニアと戦う患者と自助グループとの出会いがあるのです。

    薬物依存症も治療の対象とされていなかった

    今でこそ、ダルクナルコティクス・アノニマス(NA)などの自助グループが有名な薬物依存症も専ら刑罰の対象とだけされていました。

    ダルクが設立されたのは1985年のことです。日本で最初の民間による薬物依存者回復施設でした。

    KAの第一回ミーティングが2004年ですから、約20年の開きがあるのですね。

    この開きを埋めていくのも自助グループの存在です。

    これから広く多くの人に治療の可能性を知ってもらい、自助への理解を深めていけると良いですね。

    治療 ⇒治癒

    治癒 ⇒犯罪が減る


    犯罪者の犯罪は一生消え去ることはありません。

    しかし、犯罪者を過去の犯罪者にすることはできます。

    それは、未来を犯罪から守ることにつながります。

    自助努力への理解、自助グループへの私たちの眼差しはそのまま私達自身を守ることにつながるのではないでしょうか。

    そして、何よりもクレプトマニアの方々が社会に貢献して罪を償う機会を設けることにもなるのです。

    治療に必要な伴走者の存在

    不意に襲ってくる“万引きしたい”という衝動があるといいます。

    精神科病院でミーティングを重ねてから退院後、通常の生活に戻ってからのことです。

    こんな時に支えとなるのが入院中の当事者たちの存在です。

    退院後は遠い距離に離ればなれになります。しかし、文通などのやり取りをすることでいつでもつながっている感覚を常に持つことができます。

    一人では生きていけません。

    万引きしたい。でも、“とりあえず取らない”

    この瀬戸際の葛藤を支えてくれるものは仲間の支えに他なりません。

    孤独にさせない自助ミーティング

    窃盗を繰り返した。

    刑務所に入った。

    精神科病院に入院した。

    そこでミーティングを知った。

    窃盗の当事者にしかわからない経験を話した。

    当事者同士が心を開いて話し合い分かり合うことができた。

    家族にも友達にも誰にも話したことが無かったことを始めて話せた。

    聞いてもらうことができた。

    多くの病院でも治療方法を教えて貰えない。

    当事者もみんな分からなかった。

    患者同士で話すこともなかったし、万引きを正直に話したことも無かった。


    しかし、そんな方々が、初めて本当をさらけ出せる場所を見つけた。

    それがミーティングの場であり自助グループです。


    薬でも治療できる部分もあります。

    原因には摂食障害の相関性も非常に高いようです。

    精神疾患としての薬物治療の効果もあるでしょう。


    しかし、人で直すことができるはずだ。

    この他者との関係で回復していくことがクレプトマニアの治療の特徴でもあります。

    一人では回復は期待できません。

    伴走者の存在

    入院治療でも明らかな病気ではない部分も多いのがクレプトマニアです。  

    安心して話せる場所が必要です。

    小さい時の否定や駄目だしの中を生き抜いてきたのが当事者です。

    ミーティングの中で、自分のことに気付くことが回復につながります。

    困っている事や苦しいことを言葉にすることが大事です。

    自分の問題と向き合うためには同じ経験をした人の存在が不可欠です。

    隠さずに話せることが伴走してくれる医療や自助グループの存在です。

    医療福祉かつ地域の理解

    退院後の繋がりも実際は簡単ではありません。

    話をするのも勇気が要ることです。

    クレプトグループはまだまだ少ないのが実情です。


    再発しないための工夫とは何でしたでしょうか。

    それは、犯罪ができない様にただ物理的に閉じ込めておくことではありません。

    根本的な解決には至りません。


    刑罰だけでは孤立は高まり、孤独は深まります。

    問題は解決するどころかこじれていくばかりです。

    司法だけではなく医療福祉や地域とつながる支援システムが必要です。

    工夫をしていくためにも伴走サポーターが必要です。

    司法任せではいけない

    全てを司法に任せっぱなしではいけません。

    司法の認識を変えるのも、突き動かすのも人です。

    法律改正や規制だけで人が変わる訳ではありません。

    自助努力により掴み取るものだから力があるのです。

    伴走者の存在がその鍵となるのです。

    後記とまとめ

    クレプトマニアの特徴

    ・摂食障害(過食症、拒食症)との合併が多い
    ・女性比率が高い
    ・他の依存症(アルコールや薬物)との合併が多い
    ・鬱などとの合併が多い
    ・発達障害や脳機能障害がある場合も多い

    クレプトマニア

    日本語では「窃盗癖」「窃盗症」
    国際疾病分類(ICD-10)
    「病的窃盗」と記載された精神障害
    アメリカの精神疾患の診断基準であるDSM-5(2013年)において,
    「窃盗症」と記載されている精神疾患の1つ

    診断基準

    DSM-5におけるクレプトマニアの診断基準は、次の5つ。
    A 個人的に用いるのでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される。
    B 窃盗におよぶ直前の緊張の高まり。
    C 窃盗を犯すときの快感、満足、または解放感。
    D 盗みは怒りまたは報復を表現するためのものでもなく、妄想または幻覚に反応したものでもない
    E 盗みは、行為障害、躁病エピソード、または反社会性人格障害ではうまく説明されない。

    全国の自助グループ

    参考URL
    http://zenteikyo.org/index.php?QBlog-20151007-1

    この度、初めてクレプトマニアのことを知りました。
    何かしら、力になれればと思っています。

    最後までお読みいただきありがとうございました。

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